活動の記録:生活保護

広島市生活保護実施要領改定説明会

【運用の改善・活動の成果を実感】
 5月16日、広島市生活保護実施要領改定説明会が開かれました。市内の生健会などから32人。中区生健会からは6人が参加しました。
 広島市の自立支援課からは課長ら5人が出席しました。課長から次のような説明がありました。
 窓口での対応については「相談者に保護申請の意識を確認する」「保護の申請権を侵害しないこと、侵害していると疑われる行為も慎むべき」と明確にしました。いわゆる「水際作戦」をしないと受け取れる内容です。
 保有が認められた自動車の他用途への利用については、利用者の状況によって「買い物等への自動車利用を認める」と柔軟な運用に改善されました。
 障害者加算などの算定については、本人の申告、届出がなくても「加算の要件に該当すると思われる者を発見したとき、必要な手続を始める」としました。今までの申請主義から、大きな改善です。
 今回の説明会では、いくつかの点で運用の改善が見られ、私たちの運動の成果を実感できる内容でした。

中区生健会ニュース「なかま」より

広島市自立支援課と生活保護の意見交換

学習・交渉生活保護中区生健会

2025年05月16日

ひとりで悩まなくてもいいんだよ!・西区生健会第21 回定期総会開催

 4 月27 日( 日)、西区生健会第21回定期総会が西区地域福祉センターにて開催されました。複数の新会員の出席に支えられ、昨年に続き一堂に会して行うことができました。コロナ禍を乗り越えて2回目となる今年の総会を開くことができました。
 昨年度は8名の会員が亡くなられ気分の落ち込みも大きかったですが、一方で新しく仲間となり活動にしっかり参加される会員が増えて、一筋の光が見えてきた一年でした。
まず一年間のまとめと課題として ①会の状況 ②一年間の主な活動 ③相談件数 ④守る会活動についてなど、具体的な取り組みを振り返りました。
 次に、今後一年間の活動方針では、宣伝行動・学習会・相談会に多いに取り組み、会員・読者増やしに力を注ぎ、班会を充実させようの方針を提案しました。
【人との繋がりを大切に】
 生健会の合言葉は〈一人ぼっちを失くそう〉です。生健会の行事には地域から集まって交流します。メーデーや国民的課題の集会に参加し、平和映画会&食事会、焼き肉パーティ、年末餅丸め、新春のつどい、日帰り温泉旅行など会員どうしのふれあいと繋がりを大切にする取り組みに力を注ぎます。
 特筆すべきは、何と言っても「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」の広島高裁判決で、一審に続き勝訴判決を勝ち取ったことでした。この日の総会には3人の原告の参加があり、喜びの声を発言しました。この裁判は原告たちだけの問題ではなく、私たちの命と暮らしを守るたたかいとしての国民的課題でもあります。
 方針案とそれぞれの報告・提案に対する質疑および討論の後、方針案、決算、予算案、新役員の提案が参加者多数の賛成で承認されました。
【以下発言の一部を紹介します】
●4月18日に行われました生活保護広島高裁判決でみなさんの応援の力により勝訴となりました。地裁よりもすごく進んだ判決で最高にうれしいです。
デフレに伴い、生活保護費を引き下げられたのは違憲だとして地裁判決を支持されました。物価の下落に関する調整を行い、消費実態と乖離したものを採用した結果が過大に反映されるような方法となったことは、明らかな欠点であるとされました。
 国の判断は、裁量権の範囲の逸脱や乱用があり違法だとして、原告42人について引き下げを取り消されました。専門家の知見を求めないことをふまえて手続きに過誤があった事を認められて、全国の判断と同様な判決なので大変うれしく思っています。最高裁判決を楽しみに待ちたいです。(会員のKさん)
●夫婦の折り合いが悪くなり家を出ることを考え、まわり回って生健会に行き着きました。離婚届けはだせたのですが、『直ぐに家を出ろ』と言われ途方に暮れている時、生健会(大平さん)から不動産屋を紹介してもらい何とか野宿せずにすみました。
 生活課とのやり取りも大変でした。若いから働けと言われましたが、精神的に不安定になっていてその時はとても仕事ができる状態ではありませんでした。一緒に行ってもらって何とか生活保護の申請ができました。とても一人ではできなかったと思います。
 あの日から、生活保護を利用しながら少しずつですが、自分の生活を立ち直らせることができました。高齢者のショートステイの介護事業所でアルバイトですが、仕事に就いています。ここまで立ち直れたのは、一番苦しくて死ぬしかないと追い詰められていた時生健会に出会えたからです。これからも周りの人たちに支えられながら、あせらず自分らしい生活を取り戻し生きて行きたいと思っています。(会員のUさん)
●…私はまだ入会して1年、ほんの少ししか会員のみなさんのことを知りませんが、これからもっともっと関わっていきたいと思っています。そして自分が少しでも誰かの助けになれるように、学びながらできることをしていきたいと考えています。
 今、困難な中で生健会の存在を知らない方がいたら、私は自信をもって生健会をおすすめしたいです。 ここには人と人とがつながり助け合い、安心できる場所があります。私自身がそうであったように、一人で悩まなくてもいいんだよと知ってもらいたいです。
これからもこの思いを胸に活動していきたいと思っています。(会員のYさん)

西区生健会ニュース「輝き」より

久しぶりに多数の参加者で活発な総会になりました

会議・集会生活保護西区生健会

2025年04月27日

生活保護裁判・広島高裁原告勝訴

 4月18日、広島県内に住む生活保護利用者が国や自治体に処分取り消しを求めた「生活保護引き下げ違憲訴訟」の控訴審が広島高裁であり、生活保護減額は違法とする原告勝訴の判決が出ました.。河田泰常裁判長は、生活扶助基準を切り下げることに合理性があるとは認められないなどとして、原告の訴えを認めた一審判決を支持し、被告の訴えを棄却しました。
 法廷での勝訴判決を受けた後行われた報告集会には、弁護団、原告、支援者総勢93人が集まりました。 弁護団の先生から判決の内容のわかりやすい説明があり、原告、弁護団と共に全員で勝利判決を喜びあいました。 次のたたかいに向けて大きな展望と力をもらうことができた報告集会でした。
 以下発言の一部を掲載します。
【全国弁護団の メンバー伊藤健弁護士】
 とてもいい判決でした。5月27日に大阪と名古屋で最高裁の口頭弁論を行う予定です。今日の判決は多いに追い風となります。 今回、国は物価が下がったから保護基準を下げたと言ってましたが「そんなに下がってないでしょ」ということを立証しました。そこで国は言い分を変えて「みんな貧しくなって、全体が下がったからやった」と主張をかえてきました。

  裁判所からは、全体が下がったから下げたといいだした国の説明について、どう考えるかという宿題をもらっています。実は今日の判決文の中にその答えがありました。 「そもそも国の主張が変わったのがおかしい。学術上取られていない計算式を勝手につかっている。物価下落率が標準世帯で11%だからと言って、全員4.78%とすることも分からない」 一審より踏み込んだ判決で、社会保障生計調査の計算式について論じているのは珍しい。 そして平成20年(2008年)を始めとしたことの違法性にも言及しています。 最高裁に向けて準備しているわれわれにとってとてもいい判決で多いに助かります。

西区生健会ニュース「輝き」より

高裁門前へ向かって行進中です

会議・集会生活保護西区生健会

2025年04月18日

広島高裁「生活保護減額は違法」高裁7件目の勝訴

【一審をさらに進めた勝訴判決・闘いは東京(最高裁)へ】
 国による生活保護費の基準額引き下げは生存権を保障する憲法などに違反するとして、広島市や福山市など5市の生活保護利用者43人が減額処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が4月18日、広島高裁でありました。
河田泰常裁判長は、原告42人の減額処分を取り消した一審広島地裁判決を支持し、市側の控訴を棄却しました。
 裁判所前に「勝訴」「司法は生きていた」の2枚の幕が掲げられると、待ち受けていた多くの支援者らが拍手し、「やったー」と喜びの声を上げました。
 判決は、「デフレ調整」について、国が生活保護を利用している世帯の消費実態とかけ離れた指標をあえて採用したと指摘。専門家の知見を求めていないことも踏まえ「手続きに過誤や欠落があった」とし、減額は生活保護法に違反すると認めました。
一方、地裁判決で外国籍を理由に訴えを却下され、控訴した原告の女性については、今回の判決でも請求が棄却されました。
 判決を受け、弁護団長の津村健太郎弁護士は「原告側が主張していた問題点に沿って検討されていて、一審より進んだ判決と言える」と強調しました。
 原告団副団長のSさんは、広島高裁の勝訴判決に喜びをかみしめながら、「2014年に原告になり、今年で11年たちました。長かったです。勝訴判決でホッとしています。私たち高齢者は、老齢加算の廃止、生保基準の引き下げで苦しめられてきました。そのうえ、今日の物価高で人間らしい生活ができなくなっています。政府は誤りを認め元に戻すとともに、物価高に見合う基準引き上げに取り組んでほしい」と語っていました。
 同種訴訟は29都道府県で起こされ、原告側の勝敗は、地裁で19勝11敗、高裁では、勝訴が7件、敗訴が4件となり、流れが変わってきています。最高裁で5月27日に同種訴訟2件(大阪、名古屋)について、国側と利用者側双方の意見を聞く上告審弁論があり、今夏にも統一判断を示す見通しです。最後まで原告を励まし、頑張りましょう。

中区生健会ニュース「なかまる」より

原告と弁護団、支援者たち喜びにあふれる

会議・集会生活保護中区生健会

2025年04月18日

広島高裁の前「勝訴」「司法は生きていた」の旗ひるがえる

新人間裁判 いよいよ最終章へ
【判決公判はわずか3分】
4月18日、広島高裁で広島生活保護裁判の判決が言い渡されました。この日14時30分ちょうどに開廷され、裁判長が小さな声で「判決を申しわたします。被告の上告を却下する」これを耳にして思わず「勝った」と小さく声を出し、音のでないように一人手をたたいた。やがて小さなざわめきが傍聴席に広がりました。すると裁判長が「閉廷します」と宣言。この日の判決公判は約3分で終了しました。
【喜びに沸く報告集会】
会場を弁護士会館に移し、報告集会が開かれました。百名近い参加者で会場は喜びに包まれました。弁護団長の津村健太郎氏は、あいさつで判決言い渡しの瞬間を臨場感いっぱいに報告し、いっそう勝利した喜びを実感した瞬間でした。
【判決の要点評価】
つづいて、弁護団の石井事務局長は以下のように報告しました。「4月18広島高等裁判所第4部(河田泰常裁判長)は、広島県内の生活保護利用者63名(提訴時)が広島市ほか4自治体(判決時)を被告として提訴した裁判の控訴審において、訴えを認めた一審広島地裁判決を支持し、生活保護基準引下処分を違法として取り消す原告側勝訴判決を言い渡しました。」
今日の広島高裁の判決を含め、これまで、全国の高等裁判所で言い渡された11の判決のうち、2025年3月28日東京高裁(さいたま訴訟)等に次ぐ、7例目の高裁勝訴判決となります。
高等裁判所でも連続して原告勝訴判決が言い渡されたことで、受給者側勝利の流れは、もはや確定的であるといえます。本判決は、一審よりさらに踏み込んで、「デフレ調整」についての判断を示しています。5月は最高裁でも頑張りましょう。
【勝訴判決をみんなとともに勝ち取った原告の勝利と喜びを語る声】4月18日高裁判決が行われました。勝訴判決が出され嬉しく涙が出ました。勝ちたいと思い法廷に入り勝訴判決が出ます様にと、裁判官を見ながら願っていました。すると、法廷内に動きが有り、やった!勝ったのだと分かり、拳を握りしめ外ヘ出て支援者の方と抱き会って喜び合いました。報告集会でも弁護団の方々が、判決の内容が一審以上に良い判決だと笑顔で話され、とても嬉しかったです。皆様方に本当に心からの感謝の気持ちでいっぱいです。次はいよいよ最高裁ヘ進むのだ、いっそう頑張らなくてはと心新たにしています。法廷の外ヘ出ると、ハナミズキの花も嬉しそうに空を見上げ、ばんざーいと言っている様に見え、ありがとうねと、思わず心でつぶやきました。とてもとても嬉しい涙の日でした。(原告のNさん)

安佐南区生健会ニュース「生きる」より

原告と弁護団、支援者たち喜びにあふれる

会議・集会生活保護安佐南生健会

2025年04月18日
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