広島高裁「生活保護減額は違法」高裁7件目の勝訴

【一審をさらに進めた勝訴判決・闘いは東京(最高裁)へ】
 国による生活保護費の基準額引き下げは生存権を保障する憲法などに違反するとして、広島市や福山市など5市の生活保護利用者43人が減額処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が4月18日、広島高裁でありました。
河田泰常裁判長は、原告42人の減額処分を取り消した一審広島地裁判決を支持し、市側の控訴を棄却しました。
 裁判所前に「勝訴」「司法は生きていた」の2枚の幕が掲げられると、待ち受けていた多くの支援者らが拍手し、「やったー」と喜びの声を上げました。
 判決は、「デフレ調整」について、国が生活保護を利用している世帯の消費実態とかけ離れた指標をあえて採用したと指摘。専門家の知見を求めていないことも踏まえ「手続きに過誤や欠落があった」とし、減額は生活保護法に違反すると認めました。
一方、地裁判決で外国籍を理由に訴えを却下され、控訴した原告の女性については、今回の判決でも請求が棄却されました。
 判決を受け、弁護団長の津村健太郎弁護士は「原告側が主張していた問題点に沿って検討されていて、一審より進んだ判決と言える」と強調しました。
 原告団副団長のSさんは、広島高裁の勝訴判決に喜びをかみしめながら、「2014年に原告になり、今年で11年たちました。長かったです。勝訴判決でホッとしています。私たち高齢者は、老齢加算の廃止、生保基準の引き下げで苦しめられてきました。そのうえ、今日の物価高で人間らしい生活ができなくなっています。政府は誤りを認め元に戻すとともに、物価高に見合う基準引き上げに取り組んでほしい」と語っていました。
 同種訴訟は29都道府県で起こされ、原告側の勝敗は、地裁で19勝11敗、高裁では、勝訴が7件、敗訴が4件となり、流れが変わってきています。最高裁で5月27日に同種訴訟2件(大阪、名古屋)について、国側と利用者側双方の意見を聞く上告審弁論があり、今夏にも統一判断を示す見通しです。最後まで原告を励まし、頑張りましょう。

中区生健会ニュース「なかまる」より

原告と弁護団、支援者たち喜びにあふれる

会議・集会生活保護中区生健会

2025年04月18日|活動のカテゴリー:中区生健会, 会議・集会, 生活保護